モデルルームのめぐり方

モデルルーム

マンションの購入を検討する際、必ずと言って良いほど訪れるのがモデルルームやショールームですよね。

でも、インテリアや家具、オプション設備が至るところに配置された豪華なショールームは、どこかリアルさに欠ける感じ。
素敵なのは伝わるけれど、実際に物件を購入するとなると、インテリアや家具は自分で揃えなくてはなりません。
本当にこんな家に住めるかが見えず、結局決められない、迷ってしまう…という方は多いのではないでしょうか。

そこで、今日はモデルルーム見学の際に見るべきポイントや、良い物件の選び方について調べました。

モデルルームのインテリア通りに購入するとどうなるの?といった気になる疑問についても解説しています。
このページを参考に、ぜひ充実したモデルルーム見学に行ってみてください。

購入前提じゃなくても大丈夫

モデルルームは、購入を前提としている人だけを受け入れる場ではありません。
不動産会社が、購入を検討している人たちがどんな物件を求めているかを確認する場でもあります。
よって、見学=購入ではなくてもOKなのです。
気になる物件があったら、ぜひいくつものモデルルームを見学してみてください。

飛び込みで見学できるモデルルームも多いため、「休日だし時間があるから行ってみよう」という気軽さで大丈夫。
ちょっとしたスポットに遊びに行く感覚で、積極的にモデルルームを見学してみましょう。

家族全員での見学がおすすめ

新しい家探しでは、家族全員がその目で物件を見て、将来住む家をしっかりと知ることが大切です。
モデルルームは、家族全員での見学をおすすめします。

自分以外の視点でモデルルームを見ることで、その物件の良し悪しを判断できますし、家族でのモデルルーム見学は、家族全員で住む場所を選んだのだ、という体験共有にも繋がります。

はじめは1人での見学でも、最終的には家族全員で見学するようにしましょう。

事前の情報収集が役立つ

モデルルーム見学をする前に、ある程度の情報収集をしておくとあとで物件の比較検討がしやすくなります。

見学前に、インターネットの問い合わせフォームから物件の資料請求をしておきましょう。

資料請求では、ネットで公開されている情報よりも、詳しい情報が記載されたパンフレットや冊子が手に入ります。

モデルルームでは、魅力的な家具装飾や最新鋭の設備が整っているため、今住んでいる家よりもよく見えてしまうものです。
客観的な観察ができなくなり、誤った決断をしてしまうケースも少なくありません。

物件に関する情報量が手元に多いほど、思い込みや勘違いなども防げます。
住まい購入で失敗するリスクを抑えるためにも、あらかじめ多くの情報を収集しておきましょう。

理想の物件を見極めるポイント

モデルルーム見学で、良い物件を見極めるために確認すべき基本的なポイントをまとめました。
ぜひ覚えておいて、見学時のチェックに活かしてください。

部屋の広さをチェックする

まずは、実際に目で見て部屋全体の広さを体感します。
部屋の広さは、単に「床面積が広い」というだけで判断してはいけません。実際の広さよりも空間が大きく見える天井の高さか、床の色味で広く見えているのか、窓の大きさはどうかなどをチェックします。

天井や床、窓などは、工夫次第で実際の空間よりも広く見える効果をもたらします。
広く見える造りであれば掃除や維持管理もしやすい上、快適に過ごせるでしょう。

また、モデルルームでは生活のイメージがしやすいよう、家具が配置されています。
この家具が空間を広く見せる役割も果たすため、注意が必要です。

中には、空間を広く見せるためにあえて小さめの家具を置いている場合もあります。
感覚だけで部屋の広さを見ていると、購入後、家具を入れたら「実は思ったよりも狭かった」という事態にもなりかねません。

失敗を防ぐためにも、自分の感覚だけに頼らず、実際の数字で広さを把握するようにしましょう。

モデルルームでは、メジャーで寸法を測ることもできます。
あらかじめ自宅の天井の高さや窓の大きさ、家具の大きさなどを測ってメモしておくと、現地で比較しやすくなりおすすめです。

水まわりの設備はどうか

毎日使うキッチンやお風呂、トイレ、洗面所の水まわりは、特にチェックしておきたい項目です。
水まわりの使い勝手が悪いと、快適さが失われるばかりかストレスの原因にさえなってしまいます。

実際に疑似的に使用してみて、使いやすい設備か、動きはスムーズかなどをチェックしましょう。
また、モデルルームでは最新の設備が採用されているところも多く、オプションで設置されている場合もあります。
水まわり設備がすべて物件価格に含まれているなら、「ここまで充実した機能が必要か?」「最新設備にする必要があるか」などを自分や家族に問いかけてみることも大切です。

特にキッチンは、シンクや棚の高さなど、身長や体格によって使い勝手が異なります。
見学の際には、キッチンを主に使う人がチェックするようにしましょう。

収納スペースや建具の使い勝手は?

クローゼットや棚、靴箱などの収納スペースや開口部に使われる窓、扉、障子などの建具も、見落とさずに細かくチェックしましょう。

モデルルーム見学ではあまり気にしていなかったが、実際に住んでみて収納スペースや建具に不満があったというケースをよく耳にします。
収納スペースが思ったより狭い、建具を動かしづらいなどの問題が起こったり、場合によっては生活動線の妨げになったりする場合もあるのです。

こうした失敗を防ぐためにも、モデルルーム見学の時点で収納スペースや建具のタイプをしっかりとチェックしましょう。
モデルルームと実際の住宅で変更があるかについても確認するようにしてください。

動線や日当たり、風通しをチェック

どこで洗濯して、どこへ洗濯ものを干しに行くのか、食卓でご飯を食べたらどう食器を片づけるのか、などの生活動線や家事動線も、モデルルーム見学で確認することが大切です。

俯瞰的にイメージしにくいといった場合には、間取り図を持ちながら歩いてシミュレーションする、立体模型を見てみるなどでチェックします。

日当たりや風向きは、階数や部屋の方角によって異なります。
また、棟外モデルルームの場合には、風通しや日当たりを感じられないこともあります。

その場合は日当たりや風通しについて担当者にしっかりと聞いた上で、建物の完成後に確認したい旨を伝えておけるとベストです。

インテリアコーディネートをチェックする

モデルルームのインテリアは、プロのインテリアコーディネーターがセレクトした壁紙や照明、家具などが配置されているケースが多いです。

どんな雰囲気の空間にしたいか、どんな家具を新しく購入すべきかを決めるためにも、モデルルームのインテリアからプロの技を学びましょう。

照明やダイニングセット、キッチンの棚などはオプションで追加購入ができることも多いので、気に入ったらそのまま購入してしまうのもひとつの手です。

ただし、標準だと思っていたらオプション設備だったということも往々にしてあります。
気になる設備やインテリアがあったら、標準設備かオプションか、そのまま購入できるかなどを聞くようにしましょう。

共用スペースをチェック

建物の竣工済みの棟内モデルルームの場合にチェックしておきたいのが、共用スペースです。
エントランスの方角や広さ、エレベーターの位置、郵便受けや宅配ボックスの有無など、さまざまな項目を確認します。

共用スペースとは言え、自分や家族が毎日使う場所です。
快適に過ごせそうなスペースか、安全面やセキュリティ面がどうなっているかをしっかりとチェックするようにしてください。

モデルルームのタイプ別で見るポイント

モデルルームは、大きく分けて「棟内モデルルーム」「棟外モデルルーム」の2タイプがあります。建物の完成後に用意されるのが棟内モデルルーム、建設前~完成前に見学できるのが棟外モデルルームです。

棟内モデルルーム

新築マンションの竣工済に、マンションの一室を公開するのが棟内モデルルームです。
日当たりや風通し、周辺環境などをリアルに体感できます。

棟内モデルルームの場合は、建物の共用スペースも確認するようにしましょう。
ただし、まだ工事中の棟内モデルルームの場合、安全上の都合で確認できないこともあります。
その際はWebサイトやパンフレットで確認するようにしてください。

棟外モデルルーム

新築マンションなどの建物が完成する前に購入契約を進められるよう、実際のマンションの間取りや内装、設備で用意されるモデルルームです。

物件の周辺環境を把握できるように、多くの棟外モデルルームが建設予定地の近くにあります。
棟外モデルルームを見学する際は、建設予定地も併せて見学するようにしましょう。

また、建設予定図から部屋の方角を確認し、階数によって日当たりはどうか、風通しは良さそうか、付近の環境や騒音はどうかもチェックします。

雰囲気に飲まれず俯瞰的に見学しよう

ここまで、モデルルーム見学で見るべきポイントについてお伝えしてきました。
モデルルームは、きれいな内装や家具、最新設備に舞い上がってしまいがちです。

雰囲気に飲みこまれて誤った判断をしてしまうと、取り返しのつかないことにもなりかねません。
冷静に判断するためにも、現地では紹介した項目を参考にチェックするようにしてください。

物件を俯瞰的に見るためにも、なるべく複数のモデルルームを見学するようにしましょう。
より良い物件と出会う機会を増やすためにも、いくつもの見学に足を運ぶのがおすすめです。